中島醸造 始禄 バリ酸 ２７BY

中島醸造　始禄　バリ酸　２７BY

久しぶりに個性的な日本酒が入荷しました。

名前が「バリ酸」でラベルも個性的な感じにできています。

アル添火入れで日本酒度が－１７、酸度が４．９、アルコールが１７％です。

猪口に注ぐと熟成酒のような色合いで見るからに美味しそうで、酸の感じを中心とした香りもそそられるものがあります。

では呑んでみます。



店内の常温で約２３．４度です。

口に含むと最初は穏やかな酸を感じるのですが、それからじわじわと酸の感じが口の中で広がり、しばらくすると口の中の唾液が活発に分泌されるようになり、

それと共に酸の味わいから辛さを中心とした味わいに変わり、穏やかに味わいが消えて行きます。

日本酒度は－１７ですが酸が４．９出ているので日本酒度から想像する甘さは感じることがないです。



約３５．３度

香りの中の酸の感じが先ほどの温度よりも穏やかになりました。

口に含むと酸の感じがキリッとした感じになり、甘さも先ほどの温度より感じることができます。

口に含んでから飲み込んでの味わいの起承転結は早くなったのですが、飲み込んでから舌の先に心地よい刺激が比較的長い時間楽しむことができます。


約４５．３度

香りの中心が甘い感じに変わってきました。

口に含むとトロッとした感じに変わり酸と甘さのバランスが良くなり、その中に爽快な味わいも感じることができます。

味わいの起承転結は際ほどより少し早くなりました、飲み込んだ後の余韻の感じも変わり一番最初の温度で感じた辛さは無くなりました。




個人的にはこの温度が一番楽しめると思いますが、綺麗な吟醸酒を主に呑む方ですとなじめないと思います。


日本酒の味わいを想像するときに日本酒度を考慮する方はとても多いのですが、日本酒度は日本酒の比重を数値化したもので主に日本酒の残糖を見ています。

日本酒の味わいに大きな影響を及ぼすものは、日本酒の中の残糖以外に酸の量がとても大きな影響を与えます。

日本酒度と酸の量により日本酒の味わいは大きく影響されますが、更に大きな影響を与えるのが温度です。

それ以外に日本酒のアルコール度数や熟成、火入れの有無なども大きな影響を与えます。

日本酒の味わいはパズルを組み立てるようで楽しいですね。


この「バリ酸」は２７BYのお酒ですが、更に寝かせるとドンドン味わい深いお酒になると思います。

久しぶりに個性的なお酒を楽しむことができました。


「唐木屋のなか」で有料試飲できます、皆様のご来店を心よりお待ちしております。

７２０ミリリットル　￥１３５０税込み

１．８リットル　￥２７００税込み