小左衛門 超活性にごり 特別純米 美山錦
- 2011/12/20
- 00:48
いよいよ今年も残すところ僅かとなりました。
気温の方もかなり下がってきており正に「冬」という感じの気候になってきましたが、北国の寒さから見ればかわいらしい寒さではないかと思います。
日本酒を造るときにはこの自然の寒さが非常に大切なことでした。
昔は冷蔵庫という物が有りませんでした、冷蔵庫に限らず自然の摂理に反して無理矢理温度を下げるという手段を人間は持ち合わせていませんでした。
本当においしい日本酒を造るためには低温環境が絶対に必要ですので、自然の摂理に反して温度を下げる術を持たない時には自然と環境温度が下がる「冬」にお酒を造るしかありませんでした。
ただ、「おいしいお酒」とい部分でかなりの妥協をすれば低温環境が無くても日本酒を造る方法はありますが、やはり「おいしお酒」というところはかなり大切な要素であり人間の本能として「おいしいお酒」を求めることもあり「寒造り」に収束した歴史があります。
日本酒の造りは様々な微生物の生理作用を巧みに使って造りますが、微生物の働きや生理作用をコントロールする方法は微生物の生活環境をコントロールして行うしか有りませんでした。
その中で最も大切なことは微生物のいる環境の温度のコントロールでした。
そのために冬の寒さが必須だったのですが現代社会では電気を使うことにより蔵の中の温度のコントロールがたやすくできるようになりました。
今までは大手メーカーの専売特許でったあ一年中日本酒を造る「四季醸造」が規模の小さい地酒メーカーでも普通に行われています。
一年中新酒が呑めます。
有る意味良いことのように感じられますが、私の個人的な感想としては決して良いことばかりではないと思います。
日本酒造りは農業と密接な関係が有ります。
当たり前のことですが日本酒の原料は「米」です。
もし本当に原料である「米」にこだわりを持つと蔵で米を生産するということも行われるようになります。
春から秋にかけて米を作り冬から春先にかけて日本酒を造るという季節の循環に乗っ取った日本酒造りもロマンが有る気がします。
杜氏さんは日本酒造りの総指揮者ですが多くの場合は米を造る農家の方で、米造りが終わると蔵に入り日本酒を造るという感じでした。
しばらく前から「社員杜氏」や「社長杜氏」という形態が多くなり米を作ることなく日本酒を造るということも多く有ります。
どちらが良いとか悪いとかでは有りませんが日本酒造りの世界も段々変わっています。
前置きが長くなりましたが今日のお酒は小左衛門さんのところに活性にごりですが、このお酒は当店のオリジナルのお酒です。
詳しいことは内緒なのですが非常においしいお酒です。
ミソはかなり高い圧力がかかっていることで液体の中に炭酸ガスがとけ込む為には圧力の高さも重要なことになります。
外から炭酸ガスを添加するのではなく清酒酵母が造り出す炭酸ガスであることは言うまでもありません。
にごり系の日本酒ではお酒の中に溶けていないお米が合ることがよく有りますが、米粒があることは善し悪しがあり、場合に依っては米粒によりにごり酒の味わいが壊れてしまうこともあります。
今回のこの超活性にごりは米粒がほぼ完全に溶けていますのでクリーミーな感触が楽しめます。
とろっとクリーミーであり炭酸ガスがシッカリととけ込んでおり、適度な甘さが有りますので非常に呑みやすくおいしいにごり酒になっています。
気をつけないと飲み過ぎてしまうにごり酒です。
是非お楽しみください。
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